21011212

人文社会HSS412z 

2年, 3年, 4年後学期水5

政治学B

Politics B

太田 聡一郎

単位区分

単位数: 2単位
必修
課程・類・プログラム
種別
先端工学基礎課程

関連Webサイト

なし

主題および達成目標

<主題>
現代日本の政治について考えるうえで、太平洋戦争以降の歴史は決定的な意味をもっています。日本国憲法をはじめとする政治のルール、自由民主党が選挙で優位を保ち、政権を担う政治構造、与党議員や官僚が政策の決定に関与する仕方など、今日の日本政治を構成する要素はこの80年間に形作られてきたものだからです。本講義では戦後日本の政治過程について学び、今日の日本政治を取り巻く構造や特徴がどのように形成されていったのか考えます。

<目標>
①戦後日本政治の大まかな流れや特徴について、自分の言葉で説明することができるようになる。
②現代存在する政治構造や政治文化が最初から当たり前だったのではなく、歴史的に形作られてきたものであることを理解することで、現代政治のあり方を相対化し、自由に考えることができるようになる。
③本授業を通じて培われた歴史学的な思考力を前提として、社会的な事柄に関する自分の意見を言語化し、他者に向けて発信することができる。

前もって履修しておくべき科目

特になし。

前もって履修しておくことが望ましい科目

特になし。

教科書等

教科書 特になし。
参考書 境家史郎『戦後日本政治史』(中公新書、2023年、ISBN:978-4121027528)を読んでおくと、授業全体の見通しがよくなると思います。持っていなくても受講には問題ありません。

授業内容とその進め方

<進め方>
講義形式を基本とし、各授業冒頭で前回の授業後に集めたコメントへの応答を行う予定です。

<授業内容>
第1回 ガイダンス、導入
授業の進め方評価方法について説明するガイダンスを行った後、講義全体の導入として、戦前日本における政治のあり方がどのようなものだったのか概観します。

第2回 占領改革
1945年に太平洋戦争に敗北した日本がアメリカを中心とする連合軍の占領を受け、政治のルールや構造がどのように変化したのか学びます。

第3回 再軍備と講和
資本主義勢力と共産主義勢力とが対立する冷戦が世界的に激化する中、日本政治を取り巻く国際環境がどのように変容したのか再軍備と講和を題材に学びます。

第4回 55年体制の成立
1952年のサンフランシスコ平和条約調印によって国際社会に復帰した日本の政治勢力が、今後の向性をめぐってそれぞれ自由民主党(自民党)と社会党とに結集し、自民党が政権を担い、社会党が牽制するという体制(=55年体制)が成立するに至る過程を学びます。

第5回 岸信介と安保改定
平和条約と同時に締結された日米安全保障条約の改定をめぐって、保守勢力と革新勢力の対立が激化したことを学びます。

第6回 保守政権の安定と革新運動の再編
岸信介内閣の後を受けて成立した池田勇人内閣、佐藤栄作内閣の下、日本経済の高度成長が本格化して保守政権の統治が安定していき、大きな目標を失った革新的な政治運動が再編を迫られていく1960年代の様相を学びます。

第7回 安定の時代と三大角福
1970年代に入って日本経済が安定的な成長を続け、政治も安定的な自民党政権が続く一方、各政治勢力の役割の固定化が政治の腐敗や停滞につながっていく過程を学びます。

第8回 鈴木、中曽根内閣と政治改革の始まり
1980年代前半~中頃における鈴木、中曽根内閣の下で、政治改革の機運が高まっていく様相を学びます。

第9回 55年体制の終焉
自衛隊の海外派遣や政治改革をめぐって保守勢力‐革新勢力という既存の対立構図が動揺し、1993年に日本新党の細川護熙が連立政権を発足するに至って、55年体制が終焉する過程を学びます。

第10回 政界の再編と自公連立政権の始まり
55年体制の崩壊に伴って政界が再編され、自民党と公明党が連立で政権を担うようになることを学びます。

第11回 小泉純一郎と官邸主導
自民党内の改革派として小泉純一郎が台頭し、政治改革が一つの頂点を迎えるに至る2000年代の政治過程を学びます。

第12回 ポスト小泉の自民党政権
小泉の退陣後、自民党が改革路線を退潮させつつも向性を固めきれず、安倍、福田、麻生と短期政権が続く様相を学びます。

第13回 民主党政権
自民党に代わって2009年に民主党が政権を獲得するも、東日本大震災への対応や数度の選挙における大敗を経て再び下野するまでの過程を学びます。

第14回 自公連立政権の復活
民主党の下野後に再び自民党と公明党とが連立で政権を担い、安全保障関連法の制定や新型コロナウイルス対応をめぐる対立を織り込みつつも長期政権化していく様相を学びます。

第15回 まとめ、期末試験
授業全体のまとめを行うとともに、期末試験を実施します。

授業時間外の学習

・授業内容の復習に⼗分な時間をかけることが望ましいです(⽬安時間 60分)。
そのほか、より深く学びたい⼈に向けた読書案内を講義中に行うので、積極的に参照してください(⽬安時間 120分)。

成績評価方法および評価基準

<成績評価方法>
(1)試験 70%
 戦後日本政治のおおまかな流れや特徴を問う論述問題を出題します。細かい知識の暗記は求めません。
(2)コメントペーパー 30%
授業の参加度・理解度を計測します。なお、興味深い質問や意見を匿名で授業中に取り上げさせていただくことがあります。

<評価基準>
秀 毎回の授業に積極的に参加したうえで、⾃由で独創的な発想に基づき学術的な課題を⾒出すことができ、かつ試験成績も優秀と認められる場合。
優 毎回の授業に恒常的に参加したうえで、的を射たコメント能⼒があり、かつ試験成績も優秀と認められる場合。
良 授業への参加度、コメントペーパーの内容、試験成績のいずれかに不⼗分な点があるが、本授業の到達⽬標をおおむね達成したものと認められる場合。
可 毎回の授業への参加が消極的であり、試験成績にも問題があるが、最低限の学習意欲が認められる場合。

オフィスアワー・授業相談

電子メールで受け付けます。

学生へのメッセージ

分かりやすい授業を⼼がけ、受講⽣の皆さんに楽しく学んでもらうことを第⼀に考えています。さまざまな出来事が相互に影響し合う歴史の面白さを体感するとともに、自分なりの興味や関心を見つけてもらえれば嬉しいです。

その

特になし。

キーワード

55年体制
サンフランシスコ体制
冷戦
政治改革
日本政治史
連立内閣
最終変更日時: 2025/03/20 0:09:30