21015104

数学MTH302z 

2年, 3年, 4年前学期木2

現代数学入門B

Introduction to Modern Mathematics B

榎本 直也

単位区分

単位数: 2単位
必修
課程・類・プログラム
種別
先端工学基礎課程

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作成予定

主題および達成目標

本講義では広く理工系・情報学において現れる「群・環・体」と呼ばれる代数系の有用性に触れてもらうことを目標とし, 様々な具体例とともに基礎的な性質について述べる.
「群」という考え方は、方程式の解の公式を支配する概念として生まれたが, その後, 「対称性」を記述する概念として式の性質を調べるだけでなく, 理工系・情報系を問わず多くの分野で用いられている. 本講義では「対称性」に関する身近な観察から始めて, 分子の基準振動や固有値問題への応用までを眺める.
「環」は, 中学・高校以来なじみ深い整数や多項式の持つ性質を抽象化した概念であり, 「体」は, 有理数・実数・複素数の持つ性質を抽象化して得られる概念である. 環や体の概念は, グレブナー基底・暗号・符号理論など情報系の多くの分野で用いられる道具の基礎づけを与えている. 本講義ではそうした応用についても簡単に触れつつ, 「方程式の解の公式」を群と体の言葉で見直す「ガロア理論」やその応用についても触れる.
本講義の目標は, 群・環・体という代数系に触れ, より専門的に学習してもらうための動機づけを与えることである. 個々の事実の正確な証明をつけることではなく, 「群・環・体」の考え方簡単な具体例などを自分の手で計算しながら実感をつかんでもらうことを目標とする.

前もって履修しておくべき科目

なし

前もって履修しておくことが望ましい科目

1年生配当の数学科目(線形代数学第一、線形代数学第二、微分積分学第一、微分積分学第二、解析学)を履修しておくと理解が深まると思われるが、必ずしも履修していなくても理解できる部分が多い。

教科書等

教科書は指定しない。(必要に応じて講義ノートなどを配布する。)
参考書:
杉原 厚吉・今井 敏行 著「工学のための応用代数 (工系数学講座 4) 」(共立出版 1999年)
吉川 圭二 著「群と表現」(理工系の基礎数学 9)(岩波書店 1996年)
金子 晃 著「応用代数学講義」(サイエンス社 2006年)
榎本 直也 著「群論」(日本評論社 2022年)

授業内容とその進め方

授業計画

[第1 回]対称性とその合成
[第2 回]群の定義
[第3 回]いろいろな群とその部分群
[第4 回]群の同型と直積
[第5 回]群の作用と軌道分解
[第6 回]群の作用と群の構造
[第7 回]整数と多項式の剰余系
[第8 回]整数環とその剰余環
[第9 回]既約剰余類群の構造と公開鍵暗号
[第10 回]多項式の既約性-因数分解できるのはいつ?-
[第11 回]体とその拡大
[第12 回]ガロア拡大とその性質(I)-ガロア拡大の特徴づけ-
[第13 回]ガロア拡大とその性質(II)-方程式のガロア群-
[第14 回]群の表現(I)-定義と指標-
[第15 回]群の表現(II)-応用-

注:講義で取り上げる内容は受講者の理解や興味などに応じて多少変更する場合もある。

授業時間外の学習

講義中にExerciseをいくつか提示するので、それらを解いて理解を確かめたり、興味と関心に応じて参考書として挙げた本を読んでみることを推奨します。

成績評価方法および評価基準

進度と話題の区切りに応じて, 3回のレポートを課すことを予定している. また履修者の状況に応じて期末試験を行う場合がある.

オフィスアワー・授業相談

居室にいる場合は対応します。不在の場合や時間を決めたい場合には事前にメールでアポイントを取ってください。

学生へのメッセージ

1年生で学習する線形代数・微分積分・解析学の内容は、どの分野に進むとしても必ず必要になる理工系の基礎的な素養ですから、ある程度修行の意味も込めてみっちりやる必要があります。
しかし、本講義で述べる「代数系」という考え方は、多くの分野でも利用されている反面、分野によって使う対象も使い方も様々です。この講義では、「修行」をするのではなく、広く代数系が利用される例をいろいろ眺めながら興味や関心の幅を広げつつ、専門分野でも使えるようにさらに学習を進めていくための手がかりを提供することが目標です。

その

なし

キーワード

ガロア群
ユークリッドの互除法
体の拡大
作図可能性
共役類
多項式環
整数環
既約剰余類群
有限体
正規部分群
直積
群の作用
群の同型
軌道分解
部分群
最終変更日時: 2026/03/20 0:47:07