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人文社会HSS601z 

3年, 4年後学期金4

計算と論理の哲学

Philosophy of Computation and Logic

秋吉 亮太

単位区分

単位数: 2単位
必修
課程・類・プログラム
種別
先端工学基礎課程

関連Webサイト

なし

主題および達成目標

(a)主題
計算と論理に関する哲学的な議論が本講義の主題で、取り上げるトピックにもよりますが、「コンピューター・サイエンスの哲学」や「論理学・数学の哲学」に分類されます。特に、学生さんがこれまでの学習で触れてきたであろう、計算可能性に関連した哲学的な議論が主題の一つです。今年度は、ゲーデルが不完全性定理を証明するために導入した帰納関数論に焦点を当てつつ、ヒルベルト・プログラムの実行不可能性や、人間機械論への反論といった哲学的な帰結を数学的な定理からどのように導出するのかを、丁寧に追っていきます。関連する話題として、計算可能性の形式化として受け入れられている、チューリング・マシンやラムダ計算(チャーチ)を巡る哲学的な議論も紹介したいと思っています。
(b) 目標
計算可能性の理論に関する基本的な理解を身につけて、不完全性定理のような数学的な定理から、哲学的な帰結を引き出す丁寧な思考を理解できるようになることが非常に重要です。どこまでが数学的に証明できることで、どこからが哲学的な帰結なのかを認識できることは、科学について広い視野と深い理解を持つためには重要だと考えます。

前もって履修しておくべき科目

特になし。

前もって履修しておくことが望ましい科目

数学の哲学と関連はしますが、必要な知識は授業内で補います。

教科書等

教科書はとくに用いません。プリントを配布します。資料はすべてWebclassで配布します(原則的に紙での配布はしません)。

授業内容とその進め方

講義形式で進めます。毎回の授業でリアクションペーパーを書いてもらって、重要なコメントや質問については、次回の授業の冒頭で取り上げます。

1. 背景説明:ヒルベルトの形式主義の哲学と矛盾性プログラム
2. 帰納関数論と不完全性定理(a):計算可能性と帰納関数論
3. 帰納関数論と不完全性定理(b):コーディング
4. 帰納関数論と不完全性定理(c):表現定理と対角線補題
5. 帰納関数論と不完全性定理(d):第一不完全性定理と第二不完全性定理の概略
6. 不完全性定理の哲学的意義 1(a): ヒルベルト・プログラムの概略
7. 不完全性定理の哲学的意義 1(b): ヒルベルト・プログラムへのインパクト
8. 不完全性定理の哲学的意義 1(c): 形式化を巡る問題
9. 不完全性定理の哲学的意義 2(a):ゲーデルのギブス講演の概略
10. 不完全性定理の哲学的意義 2(b):機械論と反機械論(ゲーデルのギブス講演)
11.不完全性定理の哲学的意義 2(c):理想化の問題(ゲーデルのギブス講演)
12. 計算可能性の哲学 1:チューリング・マシンのアイディア
13. 計算可能性の哲学 3:チューリング以外のアプローチ
14.計算可能性の哲学 4:「チャーチ=チューリングのテーゼ」
15.まとめ

実務経験を活かした授業内容

なし

授業時間外の学習

講義を十分に理解するには、毎回の授業内容を復習する必要があります。とくに、演習問題については授業時間外にも積極的に取り組むことが求められます。

成績評価方法および評価基準

(a) 授業への参加(リアクションペーパー)30%、学期末レポート70%。
(b) まずは、計算可能性に関する議論が登場した歴史的背景を理解することが重要です。次に、計算可能性に関する理論(帰納関数論)と不完全性定理の概要を掴んで、こうした数学的な定理から哲学的な意義を引き出す議論を丁寧に追うことが非常に重要です。より具体的には、(i)15回の授業のうち、8割の12回に出席して、毎回課されるリアクションペーパーを提出することが30%、(ii)講義内容の正確な理解を示す期末レポートの点が70%となります。レポートの採点基準は上記の点が中心で、合計で70%以上の評価を得ることが最低達成基準です。

オフィスアワー・授業相談

メールでアポイントメントをとってください。

学生へのメッセージ

計算可能性や完全性定理は、受講生が学ぶプログラミング言語と深く関連するトピックであるため、本授業を通じて、これまでに学んだ内容とのつながりを見出してもらえれば幸いです。また、本授業では、数学的な定理から哲学的な帰結を導く過程を丁寧にたどることを重視します。受講生には、この論理的推論のプロセスを実際に体験し、数学と哲学の相互関係を理解してもらうことを期待します。

その

なし

キーワード

ゲーデル
チャーチ=チューリングのテーゼ
チューリング
マシン
不完全性定理
人間機械論
計算可能性
最終変更日時: 2025/08/14 0:06:10