21025213

2年, 3年, 4年後学期水5

理科教育法IV

Educational Methods for Sciences IV

牧・梶川・百瀬

単位区分

単位数: 2単位
必修
課程・類・プログラム
種別
先端工学基礎課程

関連Webサイト

特に無し

主題および達成目標

中学校・高等学校における学習指導要領の理科の目標及び内容を理解し, これを具体的な授業の中でどのように活かしていくかを実践できる資質と能力を育成する. 指導者としての立場から各単元の科学的な内容を十分に理解し, 実験や実習を多く取り入れた理科の指導法を学ぶ. さらに, 生徒が主体的に学習を行って理解を深め, 科学的な見方や考え方の基礎が養われるような教育方法を体験的に理解していくことを目指す. 実験や実習の実施に必要な知識や技能等の内容を確認し, 理科教員としての総合的な資質を高めることを目標とする.

前もって履修しておくべき科目

教育心理学 教職論

前もって履修しておくことが望ましい科目

教育原理

教科書等

(1)中学校学習指導要領解説(理科編)
(2)高等学校学習指導要領解説(理科編)
(3)中学校理科教科書1年生~3年生用(出版社を問わない)
(4)高等学校理科教科書(出版社を問わない「物理基礎」「化学基礎」「物理」「化学」などの各教科書)他に必要な資料は, 必要に応じ配布. [百瀬]
(5)必要な資料は, 必要に応じ配布. [梶川, 牧]

授業内容とその進め方

第1回:イントロダクション[梶川, 百瀬, 牧]
第2回 ガスバーナーの使い方を起点とする授業 [百瀬]
実験器具として多用するガスバーナーを中学1年生の実験授業の導入を想定した授業で, 基本的取り扱いや安全に関する注意事項や実際に起きたヒヤリハットについても説明する. ガスバーナーを起点とした授業展開例を解説する. (中学校:ガス警報器の設置位置から都市ガスとプロパンガスの重さの違いに着目し, 「気体の性質や集め方」へ, ガスの燃焼から「化学変化と熱」, 高等学校:都市ガスとプロパンガスの供給時に行われる熱量調整から「反応とエンタルピー変化」へなど)
第3回 ガラス器具を使った液体の測り方から“はかる"ことを考える [百瀬]
液体をはかりとる際に用いられるガラス器具は何種類もあるが, その中で“目盛りと精度"に焦点をあてた注意事項と操作について説明する. また, “はかるということ"を起点とした授業展開例を解説する. (中学校:ガラス器具の目盛りの信頼性から「メスシリンダーの使い方」「有効数字」へ, 計量トレーサビリティから「てんびんの校正」へ, 高等学校:ホールピペットを使った誤差計測から「中和滴定」へ, 国家標準と国際アボガドロプロジェクトから「物質量」へなど)
第4回 物質の分離を社会での活用例につなげる授業 [百瀬]
混合物の分離は, 中学校では沸点や溶解度の違いを用いた蒸留やろ過の実験操作を通して, 高等学校ではそれらに加え, ペーパークロマトグラフィーや昇華, 再結晶といった分離方法を学んでいく. これらの分離方法が実社会でどのように使われているのかを具体例を示し, 中学, 高校で学んだことと実社会のつながりを意識できるようにする.
第5回 色で物質を見分ける [百瀬]
物質を見分ける法として, “色の変化"は実験で多用される. 色の変化がなぜ起こるのかを科学的に説明できるようにし, 色で物質を見分ける際の注意点についても紹介する. 例えば, フェノールフタレインの色の変化が化学構造の変化に起因し, 吸収スペクトルの変化でも確認できること, 色の見え方には個人差があることから, 吸収, 発光スペクトルと波長といった数値で説明する必要性についても解説する.
第6回 原子から放出された電子で原子を観る [百瀬]
蛍光板を入れた空放電管(クルックス管)を用いた陰極線を確認する実験は, 原子の構造を説明する際に行われることが多い. この原理を応用した技術として電子顕微鏡の電子銃がある. そして, 電子銃で発生させた電子で, 原子分解能の電子顕微鏡では原子の存在を画像として確認できる. 陰極線が磁場や電場で曲がる現象と電子顕微鏡の光学系が結びつくことも紹介し, 学校で学んだことが最先端の研究開発や製品開発に応用されていることを理解する.
第7回 電子顕微鏡が拓く世界 [百瀬]
電子顕微鏡は理科の各分野と密接につながりのある装置である. 化学では原子の構造や大きさ, 物理では電磁気, 生物では細胞の組織やウィルスの観察, 地学では鉱物の元素組成等, 多岐にわたる. その中から, 弾性散乱と非弾性散乱の現象を応用した電子エネルギー損失分光法(TEM-EELS)を使った研究例, 電子殻のエネルギー準位を応用したエネルギー分散型X線分光法(EDS)を使った研究例などを紹介し, 理科の各科目が融合して社会を支えていることを理解する.
第8回 これから必要とされる科学技術 [百瀬]
天然資源の消費を抑えて, 環境負荷を最低限にする循環型社会を目指す中, 科学技術が期待されている部分は多い. その科学技術は, 中学校, 高等学校で学んだ内容と密接に関わりがあることを理解する. 具体例として, 燃料電池やコジェネ, 生物的な化学反応を応用して環境負荷を下げる下水処理法, 企業で行われているリサイクル技術等を紹介し, 科学技術を支える, 理科について考える.

第9回: 物理と科学技術の関わり[梶川]
物理と理工系の科学技術との関連について解説する. 物理と理工系の科学技術との関連性を踏まえて, 生徒の興味・関心をひきつけるような授業方法を検討する.
第10回: 国際学習到達度調査について[梶川]
国際学習到達度調査の内容とその結果を解説し, 日本の教育に関する現状について理解を深める. 日本の現状を踏まえた授業方法を検討する.

第11回: 理科実験の設計および模擬実験, 素朴概念[梶川]
実験指導での注意点, 報告書指導での注意点を解説する. また, 模擬実験の事例(箔検電器, パンデグラフ起電機, スターリングエンジン, 気柱の共鳴など)を紹介する. また, 素朴概念について解説する.

第12回: 教育実践事例1[牧] 子供実験講座の具体的な実施内容と実験講座:ホタルの光を科学しよう」の意図を解説し, 単に知識とそれに関する体験実験を教える講座ではないことを意図して開催していることの意味を解説する. その実験講座を通して理解する視点等を解説する.
第13回:教育実践事例2[牧] 子供実験講座の具体的な実施内容と実験講座「子供と学ぶ科学実験講座:~美白の化学・鏡を作る実験と宇宙の話~」の意図を解説し, 単に知識とそれに関する体験実験を教える講座ではないことを意図して開催していることの意味を解説する. その実験講座を通して理解する視点等を解説する.
第14回: 教育実践事例3[牧] 子供実験講座の具体的な実施内容と実験講座「子供と学ぶ科学実験講座:がん細胞を光らせて見つけ出そう-癌研究を体験してみる-」の意図を解説し, 単に知識とそれに関する体験実験を教える講座ではないことを意図して開催していることの意味を解説する. その実験講座を通して理解する視点等を解説する.
第15回: まとめ[牧]

(b)授業の進め方
授業前半では,中学校, 高等学校で学ぶ知識や概念が実社会でどのように活用されているのか, その活用事例と主に化学分野の各単元が結びつくような授業展開例を示し, 生徒の興味, 関心を高める工夫を学ぶ. 教科書に紹介されている事例や実験にとらわれず, 受講者自身の身の回りに授業の題材はいくらでもあることに気づき, 科学的に探究する態度を養う習慣が身につくような意識付けをする. [百瀬]

授業後半では, 実際の実験講座等の実施内容について学習し, 理科として自分の専門以外の実験について事例を学ぶ. [梶川, 牧]

実務経験を活かした授業内容

理科教育法では, 理科の教員経験を生かして中学校, 高等学校の理科を生徒が楽しく学べるように指導するための理論, 方法論, 実践を学ぶ. 理科教育法IVでは, 企業での研究者経験を生かした実社会で活用されている科学技術と中学校, 高等学校の理科が結びつくような授業展開を学ぶ. [百瀬]

授業時間外の学習

子供向けの実験講座の様子を紹介するので, 学習塾等で行われている実験講座を調べ, 実際に自分が子供向けの実験講座を行うとすればどのようなものができるのか考えてみてください. 既存の模倣ではなく, 新しいオリジナルの実験を考えてみてください. [牧]

成績評価方法および評価基準

定期試験, 各時間の小テスト, 提出物, 学習活動への参加状況などにより総合的に評価する.

オフィスアワー・授業相談

出張等で不在の時もあるので事前に連絡(メール等)してから訪問してください.
木曜日16:15〜17:45 梶川
水曜日13:00〜 牧
直接の質問等は授業終了後. 質問等は電子メールでも受け付ける. [百瀬]
質問等は電子メールでアポイントとるか授業終了後に受け付ける. [牧, 梶川]

学生へのメッセージ

企業の研究者を経て, 教職に就いています. 「学校で学ぶ理科の勉強が社会でどのように活用されているか」を伝えられるような授業展開を学びましょう. 好奇心が旺盛で行動力のある学生さんが好きです. 一緒に授業を楽しみましょう. [百瀬]
日本の将来の発展のため, 最先端の科学技術の創出が求められます. 科学技術の創出にあたって中学・高校で習う理科の知識は不可欠です. 科学技術創出に向けた理科の重要性を生徒に伝えてほしいと思います. [梶川]
理科の教師を目指す学生のみならず, 将来, 子供の教育に関わる仕事(サイエンスコーディネータ等)をお考えの方は受講されることをお勧めします. [牧]

その

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キーワード

化学
地学
循環型社会
物理
理科教育法
生物
社会貢献
最終変更日時: 2026/03/23 14:42:02