21224240

電気・電子工学ELE607h  ELE608g 

3年後学期木2

線形システム理論

Theory of Linear Systems

田中 久陽

単位区分

単位数: 2単位
必修
課程・類・プログラム
種別
先端工学基礎課程

関連Webサイト

-

主題および達成目標

(a) 主題
線形システム理論は, フィードバック制御理論やウィナーの予測理論, 回路網理論などが取り扱ってきた対象を状態空間法のもとで線形システムとしてとらえ, その数学的な構造やその操作に関する諸問題を統一的に扱かう理論体系である. 本講義では, 線形システム理論に関する基礎的事項(システムのモデル化と解析, 可制御性と可観測性, 安定性など)について講述する. 更に, 確率過程(確率微分方程式)とカルマンフィルタに関する基礎的概念と取り扱い方法についても概要を述べる.
(b) 達成目標
状態変数ベクトルと状態方程式で表現された線形システムの基礎理論を体系的に学び修得すると共に, 与えられた線形システムの特性(可制御性, 可観測性, 安定性, 最適性)を解析し, 設計可能となることを目標とする.

前もって履修しておくべき科目

応用数学A・B, 線形代数学第一・第二, 回路システム学第一・第二, 確率統計, 信号処理論

前もって履修しておくことが望ましい科目

複素関数論, 微分積分学第一・第二,

教科書等

参考書
S.H.Strogatz著, 田中ら訳『非線形ダイナミクスとカオス』(丸善出版).
示村著『線形システム解析入門』(コロナ社).
有本著『カルマン・フィルター』(産業図書).

授業内容とその進め方

(a) 授業内容
第1回 線形システム理論入門
第2回 相平面解析:安定性について
第3回 非線形システムとの関係(リミットサイクル)・線形システムの「応答」入門
第4回 線形システムの応答の計算方
第5回 モード標準形・可制御標準形・可観測標準形入門
第6回 モード標準形:行列関数・多次元の応答の計算方法(前編)
第7回 モード標準形:行列関数・多次元の応答の計算方法(後編)
第8回 可制御(可観測)標準形の仕組みの「種あかし」(前編)
第9回 可制御(可観測)標準形の仕組み:可制御性グラム行列(後編)
第10回 確率過程・確率微分方程式入門
第11回 カルマンフィルター入門:カルマンフィルター以前, 最小二乗の推定法則
第12回 離散時間カルマンフィルターの構成
第13回 連続時間カルマンフィルターの導出, その性質
第14回 連続時間カルマンフィルターの性質
第15回 定常(時不変)カルマンフィルターの性質・現在の課題
(b) 授業の進め方
授業中に演習を行うことがある. レポート用紙を持参すること.

実務経験を活かした授業内容

ソニーコンピュータサイエンス研究所において発振器(非線形システム)の基礎研究を行なった経験を基に, 非線形システムの理解にも役に立つ,「線形システム理論」という枠組みの有用性を講述する.

授業時間外の学習

講義内容に関連した演習課題(または宿題)を必要に応じて出題し, 次回の講義の際にレポートを教員に提出するようにして, 授業時間外の学習を行う.

成績評価方法および評価基準

(a) 評価方
定期試験の成績(70%)およびレポート(30%)に基づく.
(b) 評価基準
以下の到達レベルをもって合格の最低基準とする.
(1) 状態方程式の解法を理解して, 状態遷移行列(行列指数関数)を計算することができる.
(2) 線形システムの対角化法(モード標準形)を理解して, 計算することができる.
(3) 与えられた線形システムに対して, 漸近安定性, 可制御性と可観測性を理解して, 必要な計算ができる.
(4) 確率過程の基本的な概念・用語の理解と説明ができること.
(5) カルマンフィルターの構成・用語の理解と説明, ある程度の計算ができること.

オフィスアワー・授業相談

・田中久陽教員:西8号館817室, 木曜日の16:00-17:00.
Eメールで予め連絡して下さい.

学生へのメッセージ

本講義の後半で述べるカルマンフィルタは近年「GPS(Global Positioning System)」の位置の算出などに利用されており, 非線形システムへの進化も進んでいる. 少々古風な線形システム理論の「これから」に興味をもつ, やる気のある学生の受講を希望します.

その

・授業形態等は以下の通りです.
○授業形態:対面授業.
○使用ツール:Google Classroom
○Google Classroom クラスコード:上記の“遠隔授業に関する情報"を参照すること.

キーワード

カルマンフィルター
伝達関数
可制御性
可観測性
安定性
時系列
最適性
状態変数
状態方程式の解法
状態遷移行列
線形連続システム
線形離散システム
最終変更日時: 2026/02/27 17:06:59