22011105

人文社会HSS103s 

1年, 2年, 3年, 4年前学期水6

社会学

Sociology

渡辺 彰規

単位区分

単位数: 2単位
必修
課程・類・プログラム
種別
先端工学基礎課程

関連Webサイト

なし

主題および達成目標

[主題]
社会学とは社会についての学問である。しかし社会とは何か。それは緑色なのか、固体なのか液体なのか? 実際には誰もが<そこ>で生きているはずなのに、社会とかいうものを<見た>ことがある人はいない。そして、説明できる人もほとんどいない。
冷静に考えて、こんなに気持ちの悪いことはあるまい。
例えば、自動車の運転ができる人は、交通ルールの存在をある程度語ることができる。しかし、<社会>の場合にはそうではない。自分たちは<そこ>で生きていくのに何の支障も感じていない。それなのに、自分たちは<そこ>がどういう性質をもっているのか、ほとんど説明することができないのである――だが、自分たちは確かに<それ>を知っているのだ!(そうでなければ、<そこ>で生きていけないはずである)。
知っていることを、説明することができないのか。そこに、<社会>なるものの異常さの本質があるように思う。そこで、

(1)先ずは、<社会>の異常さが発見された近代初頭にさかのぼって、発見の驚きを追体験する。
(2)その上で、社会学が編み出してきた幾つかのメソッドに基づいて、<社会>の秘密に迫る。
(3)そして、<社会>の様々な場所で噴出している多様な問題を概観し、<社会>で生きていくということがいかなる多様なルールに従って生きていることを意味するのかを明らかにする。

[達成目標]
(1)社会学の主要な古典的研究について、そのメソッドを知り、社会の何を明らかにしたかを述べることができる。
(2)現代の社会学が取り組んでいる主要な課題について知り、社会で生きることが暗黙のうちにいかなるルールに従いながら生きることであるかを述べることができる。
(3)社会学的なものの見方考え方を見につけることで、<そこ>に生きるものとして、それが何であるかを説明することができる。

前もって履修しておくべき科目

特になし

前もって履修しておくことが望ましい科目

特になし

教科書等

特に指定しない。必要なテキストについてはプリントにて配布する。
ただし、授業が難しく感じた場合には、参考文献として奥村隆『社会学の歴史1』(有斐閣)あるいは、長谷川公一, 浜日出夫, 藤村正之, 町村敬志著『社会学(New Liberal Arts Selection)』(有斐閣)を読むことを薦める。購入の必要は無い。

授業内容とその進め方

[授業内容]
[第1回]
・講義の目的と進め方
授業の方針、評価の仕方など

[第2回]
・A. コントの実証主義
『社会再組織に必要な科学的作業のプラン』 A. コントの生まれた時代背景とその主張
・A. トクヴィルのデモクラシー分析
『アメリカのデモクラシー』 A. トクヴィルの生まれた時代背景とその主張
・K. マルクスのイデオロギー分析
『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』 K.マルクスの生まれた時代背景とその主張

[第3回]
・E. デュルケムのみた社会のちから(1)
『自殺論』 自殺とは個人の意思で行うもの――そう考える人がほとんどだと思うが、そうだとすると、自殺はなぜ社会と関係が有るのか。デュルケムの狙いを検討したい

[第4回]
・E. デュルケムのみた社会のちから(2)
自殺現象が分析される過程で、社会が個人の上に及ぼしている<ちから>が見えてくる

[第5回]
・M. ヴェーバーのみた資本主義の精神(1)
『プロティスタンティズムの倫理と資本主義の精神』 私たちの生きる資本主義の本質を探求する上で、彼はその精神に注目した。ヴェーバーの狙いは?

[第6回]
・M. ヴェーバーのみた資本主義の精神(2)
精神に注目すると、驚くべき逆説が明らかになった。資本主義を駆動しているのは金銭欲にまみれた精神ではなく、むしろ禁欲的に仕事をこなし、収益を消費せず投資にまわす禁欲的な精神だったのである。彼は、社会を形成している人間の精神、文化の<ちから>に注目した

[第7回]
・アメリカ社会学における<役割>分析
第二次世界大戦後の社会学会を牽引したアメリカ社会学であるが、そこには個人に社会が割り当てる<役割>についての一貫した関心が存在した。この回では、ややトリッキーではあるが、子どもが役割を学習する過程→役割が社会を構成するしくみ→個人が役割に抵抗する過程、という形で戦後アメリカ社会学の本質的な一側面を再構成してみたい

[第8回]
日常生活の研究とその法(1)
日常生活をふつうに生きている私たち。とりわけ意識することはないが、その実、そこには社会の諸ルールが網の目のように張り巡らされている。それはどのようなしくみをしているのだろうか

[第9回]
日常生活の研究とその法(2)
そして、いかなる方法でそのしくみを明らかにできるのか

[第10回]
・家族をめぐる研究とその
少子化、その背後にある晩婚・非婚化。その奥底の暗黙のパターンとそれを支配している諸ルールを明らかにする

[第11回]
・労働をめぐる研究
近年、労働をめぐる環境は大きく変化してきており、非正規労働の増加などそのうちの幾つかは深刻な社会問題となっている。これらの問題に社会学はいかにアプローチしてきたのか

[第12回]
・都市をめぐる研究
都市研究の歴史を概観し、中流階級にとっての<郊外>、都市下層にとっての都市からの排除、それぞれの現象を分析する

[第13回]
・階級をめぐる研究(1)
よく「格差社会」といわれるが、格差に対して、社会学はいかにアプローチしてきたのか

[第14回]
・階級をめぐる研究(2)
社会学にとって重要な点は、「格差があるかないか」にではなく、「その格差が親から子どもへと引き継がれるかどうか」という点にある。これを階級・階層の再生産というが、どのように
この問題にアプローチすべきなのかを検討する

[第15回]
・期末試験とその解説を行う。

[授業の進め方]
・配布資料に基づいて、教員が説明を行う。

授業時間外の学習

授業前に前回講義中に述べた次回講義予定内容の予習をしておく(1h)。
授業後に講義内容について復習をする(2h)。

成績評価方法および評価基準

学期末に行うテストと平常点(小テストほか)とで成績評価を行う。点数配分については、原則的に、学期末テストが50点、平常点は小テスト2回で25点ずつ計50点とする。
評価基準について:講義内容を適切に理解しているかどうか。評価は上記点数をもとに本学の評価基準に基づいて決める。

オフィスアワー・授業相談

毎回のレスポンスカードもしくは、上記のメールアドレス宛に質問を送ること

学生へのメッセージ

授業ではノートをしっかりとり、質問は積極的に行ってほしい

その

特になし

キーワード

ミクロ社会学
労働
家族社会学
産業社会学
社会学入門
社会学史
都市社会学
階層研究
最終変更日時: 2025/03/25 16:15:18