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コンピュータ工学COM602t 

3年, 4年後学期土2

信号処理論

Signal Processing

高橋 弘太

単位区分

単位数: 2単位
必修
課程・類・プログラム
種別
先端工学基礎課程

関連Webサイト

主題および達成目標

話をしている人の前にマイクロホンを置いてみます. マイクロホンの出力電圧は, 時間の関数としてx(t)と書けます. x(t)が信号です. x(t)を, アンプにつないでスピーカを駆動すれば, 誰が何を喋っているか分かります. また, 背後の道路騒音も聞こえるかもしれません. つまり, x(t)は, 単なる関数とも見えますが, 実はその中には, 音声や騒音など, 多数の情報が含まれているのです.

さて, x(t) を機械に理解させることを考えましょう. このためには, x(t)に多種多様の変換を施す必要があります. 歌っている人の音程を推定するには, それに適した変換があります. 何を喋っているかを理解するためには, また別の変換(処理)を施さなければなりません. 本講義では, これら色々な変換と, それを理解するための基礎理論について学びます. x(t)から道路騒音を消して音声だけを取り出したいということもあるでしょう. x(t)から音声だけを抽出したy(t)を作る, これは, フィルタリングという技術です. 本講義ではフィルタリングについても学びます.

次に, 道路騒音のほうについても考えてみましょう. 道路騒音の波形x(t)は, 測定のたびに波形がランダムに変わりますから, どのような波形であれば道路騒音であるかと規定することは難しいことです. しかし, 人間がx(t)を聞けば, それが道路騒音らしいかどうかはすぐにわかります. つまり, ランダムとは言っても, 道路騒音x(t)は, 何らかの法則に支配されており, だからこそ人間の耳で道路騒音と判定できるのです. 信号処理論では, 道路騒音を確率的な信号として扱い, 道路騒音波形を支配している確率法則を論じます. この分野を不規則信号論と言います, 講義では, 信号の変換を学んだ, この不規則信号論についても学びます.

信号処理は工学におけるほとんど全ての分野で重要な技術ですし, 新しい理論を考えるときの基礎としても不可欠です. 本講義で, 何の変哲もない関数x(t)から, いかに多くの情報を引き出せるかを学んで下さい.

前もって履修しておくべき科目

線形代数とフーリエ変換を理解していることが望ましい科目です. しかし, 本講義は, 必要な知識を復習しつつ進めるつもりですので, 低学年での勉強を少しさぼってしまった人も, 新たな気持で挑んで欲しいと思います.

前もって履修しておくことが望ましい科目

応用数学第二

教科書等

プリントにそって講義を行ないます. しかし, ひとつの学問を修得しようとした場合, 自分にとって最適と考えられる本を最低1冊(できれば2~3冊)は購入することをおすすめします. 以下の参考書は推薦できますが, その他にも良書が沢山あるので, 大きな書店へ行って, 納得のいくまで吟味してみて下さい.

参考書:電子情報通信学会編・辻井重男監修『ディジタル信号処理の基礎』(コロナ社)
参考書:テレビジョン学会編・今井聖著『信号処理工学』(コロナ社)
参考書:三橋渉著『信号処理』(培風館)

授業内容とその進め方

(a)内容

第0部 信号とは・信号処理とは [第1回]
第1部 確定信号(信号の変換手法)
1. フーリエ級数展開 [第2回前半]
2. 複素フーリエ級数展開 [第2回後半]
3. フーリエ変換 [第3回]
4. 線形シフト不変システム [第4回]
5. 帯域制限信号, 時間制限信号 [第5回]
6. サンプリング [第6回]
7. 離散フーリエ変換(DFT) [第7回前半]
8. 高速フーリエ変換(FFT) [第7回後半]
9. 離散時間でのフーリエ変換 [第8回]
10. z変換 [第9回]
11. ディジタルフィルタ [第10回前半]
12. ウインドウ [第10回後半]
第2部 不規則信号
1. 確率過程(Stochastic Process) [第11回前半]
2. 平均と相関関数 [第11回後半]
3. 不規則信号のパワースペクトル [第12回]
4. 線形システムの入出力関係 [第13回]
5. 重要な不規則信号 [第14回]
6. スペクトル推定法 [第15回]

(b)進め方

プリントにそって講義を行ないます.

(c)授業時間外の学習

講義が終わったら, 該当する部分のプリントを読んで下さい. 演習問題が数回出題されるので、解いて下さい.

授業時間外の学習

プリントは記述量が多いので、授業前に読んでおくと理解が容易になります. 信号処理は、理論や概念を理解するだけでなく、演習も重要ですので, 出された課題は自力で解くことが重要です.

成績評価方法および評価基準

期末試験80%, レポート提出20%. (およその比率です)

合格の最低基準は, 信号処理の基本的な概念が理解できていて, かつ, 信号処理に関する計算やプログラミングができることです. 「サンプリング定理の意味や意義」, 「信号や信号に対する処理を周波数の世界で論じなければならない理由」, 「パワースペクトルを推定することの意義や具体的な方法」など, 最も重要な概念について説明でき, かつフーリエ変換, z変換などの計算ができるようになることが最低限の達成基準です

オフィスアワー・授業相談

オフィスアワーとしては木曜4限としておきますが, 週によって不在の場合もあるので, 必ず事前にメイルで問い合わせて下さい.

学生へのメッセージ

zoomでのリアルタイム授業の場合は、できるだけ双方向のコミュニケーションをとりながら講義を進めることで教育効果を上げたいと思っていますので、リアルタイムの場合は可能でしたらビデオをONにしていただけると有難いです。

その

基本的にオンデマンドとします。ご要望や必要に応じてリアルタイムも行います.
初回はリアルタイムです.
また、プリントはGoogle Classroomから配布します。
時間中に学習できない場合は, プリントを読んでもらう他, 必要に応じて資料や動画を配布しますのでそれを使って自習して下さい.

キーワード

DFT
FFT
FIRフィルタ
IIRフィルタ
z変換
ガウス性不規則信号
サンプリング定理
スペクトル推定法
ディジタルフィルタ
パワースペクトル
フーリエ変換
帯域制限と時間制限
極と零点
率過程
白色雑音
相互相関
窓関数
線型シフト不変システム
自己相関
逆z変換
離散フーリエ変換
高速フーリエ変換
最終変更日時: 2025/03/11 4:14:24